平成30年7月豪雨 先遣隊報告7月13日(金)広島市での活動
活動者:渡邊智恵、小林賢吾
1. A小学校
1)周辺の状況
・ 小学校周辺の道は土砂あり、土砂の独特の匂いがあり。至る所に流木や浸水した家財道具等の災害ゴミあり。
・ 小学校は床上浸水、運動場の土砂被害などあり、復旧作業をしており授業の再開は未定である。
・ この地域では、床下浸水、床上浸水、1階が浸水、全壊など、被災状況に格差がみられる。
2)避難所の状況と運営
・ 昼間の避難所には、高齢者を中心として5名ほどが体育館の四隅に世帯ごとでまとまっている。ペットを連れている高齢者はトイレに近い場所を確保されていた。
・ ライフラインは開通し、物資はほぼ調達できており、必要な物や情報が提示されている。
・ 避難所には行政職員が常駐しており避難所運営を行っており、市の保健師が巡回している。
2. B小学校
1)周辺の状況
・山の上に位置している避難所であり、流木等が片付けられて道の端においてある。
2)避難所の状況と運営
・行政職員、保健師の配置が昼間と夜間とされており、自衛隊が常駐して出入りの管理等をしている。被災地域内に住んでいる看護師(計3名)がボランティアで避難所開設当初から,避難所環境の改善と健康障害者の対応に尽力をされている。
・自衛隊の風呂が常設してあり、入浴時間などもスケジューリングされ、見守りが必要な高齢者には看護師のボランティアによる見守りが行われている。
・ピーク時は避難者が100人超えており、その際は「高齢者専用の教室」とは別に「感染症部屋」、「妊産婦、3歳未満の子供を持つ家族専用の部屋」を設置して対応していた。現時点では感染症はない。
・地元の整体師によるマッサージを受けることができ、仕切られたスペースが確保されている。
・女性専用の着替えスペースが設置されており、女性への配慮もなされていた。
・地元の電気屋から洗濯機を無償提供してもらい、洗濯場整備を行っている。冷蔵庫や冷凍庫なども無償提供してもらい、夏場の食中毒の予防対策につながっている。
・段ボールベッドが希望する避難者全員に行き渡っており、マトレスが良いという人にはマトレスを提供できている。
・簡易型の冷房器具と扇風機あり、14日にエアコン設置作業あにより、環境改善がなされる予定である。
・ペットにも対応されており、動物のケガ等についても連携が取れている。
3)健康問題とその対応
・体育館内は34度(18時頃)を示しており、熱中症予防のための水分・塩分補給については注意を払われていた.地域の人からの情報で熱中症の疑いがある人に対して、看護師のボランティアがバイクでOS-1を自宅までもっていき,対応をしていた。
・夕方からは、片付け作業から帰ってきた人の中で、熱傷(水泡)や擦過傷の手当が必要となっている。場所的にこの避難所は虫が多いので、虫刺されの薬は全員に配布し、早くからカーテンを引いて虫が来ないように対策を講じられていた。
・水・電気も開通しており,体育館内は土足ではなく,マスクやうがい等もされており,呼吸器障害の予防に努めていた。
・身体的・精神的に気がかりな被災者は,目の届きやすい場所に配置されている。
・生活リズムを検討され,ホワイトボードで周知し6時起床23時消灯となっている。
・生活不活発病予防対策として、定時に一斉放送で体操を呼びかけ実施している。
・食事の前に身の回りの環境整備を行うよう一斉放送し、清掃を行い衛生環境の保全に努めるとともに、これも生活不活発病予防となっている。
・車中泊の人もおられるが、エコノミークラス症候群に対してのケアとしてチラシ等を貼り予防対応をしている。
・被災地域内に住んでいる看護師がボランティアで、避難地域(在宅避難者を含めて)の人々のケアを対応されていた。
3.今後の課題
・地元を良く知る看護職による避難所全体の生活へ配慮や健康問題がある人たちへのケアについては、行政の人との連携の中で、現時点では非常に厳しい状況の中でうまく調整をとりながら対応されているが、その看護師自身も念頭においてかかわりをされているが、これを継続的に支援する体制については検討する必要がある。
・広範囲な豪雨被害を受けている広島県内の状況については,まだ明らかではないため、支援の格差等を検討する必要がある。