災害看護メッセージ -備え-

国立病院機構災害医療センター 看護師長 樋口早智子

 

平成19年7月16日(月)10時13分 新潟中越地方に再び大規模な地震が発生しました。  災害看護学会年次大会を2週間後に控え、準備に忙しい中の束の間の休日でした。朝食の支度をしているとテレビの地震速報が流れ、緊急ニュースに切り替わりました。「新潟県中越地方で震度6強の地震です。周辺住民の方は余震に注意してください。」と繰り返すアナウンサーの声が聞こえました。私は取るものも取りあえず急いで病院へ向かいました。病院へ到着するとすでに災害対策本部が立ち上がり、情報収集が行われていました。既に医療班2隊の派遣が決定しており、派遣メンバー3名は決定し、それぞれ派遣準備に取り掛かっていました。メンバー4人目に私に声がかかりました。「やった!派遣に行ける。」という気持ちと「え!私が?本当に私で大丈夫だろうか。」という思いが交錯しましたが「大丈夫でしょう。行ってらっしゃい。」という看護部長の言葉に後押しされ、超急性期の震災現場へ向かうことになりました。資器材等を整え、発災から3時間、災害医療センター医療班2隊は現地へ向いました。  活動場所は厚生連刈羽郡総合病院に決まりました。病院側から夜間のER対応の依頼があり、16日22時から翌日の10時30分まで活動を行ないました。病院の夜勤看護師3名と東北大学病院チームの医師1名と看護師2名、そして私たち4名の看護師と医師1名が協働し救急車で搬送されてくる被災患者の対応に当たりました。対応した被災患者は約30名でその殆どが外傷であり、地震の際に転倒したり、物が倒れてきたりして負傷したとのことでした。病院看護師1名と合同で2~3名一組になりトリアージ・処置・記録に分かれ活動しました。活動内容は一見,日ごろ救急外来で行なっていること,そのままのようでした。メンバーたちは生き生きと自分の知識・技術を最大限に活用し、他病院の職員とコミュニケーションをとりながら活動しました。私は、病院の当直看護師長と連携を取りながら、メンバーの休憩や仮眠時間などの安全や健康を配慮し管理面の調整を行いました。  この12時間の活動は、私にとって貴重な体験となりました。さらに今回の派遣で、災害時の看護活動の基本は,日常の業務の中において身につけるものでもあると実感しました。今後も災害看護を意識しながら自己研鑽に努め、いつ起こるか分からない災害に備えていきたいと思います。

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℡:042-526-5511

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独立行政法人国立病院機構災害医療センター

看護部長菊池志津子

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