坊田 香織1) 横内 光子2) 岡田 淳子3) 藤本 浩子4)
中信 利恵子3)堀 理江5)植田喜久子3)
1)千葉大学大学院看護学研究科博士前期課程 2)名古屋大学医学部保健学科
3)日本赤十字広島看護大学 4)三菱レイヨン株式会社大竹事務所労働衛生グループ
5)神戸市看護大学大学院看護学研究科博士前期課程
要 旨
本研究は、看護学生の行なうトリアージの特徴を明らかにし、教育上の課題について検討した。看護学部4回生を対象に、模擬患者を用いたラリー方式のトリアージ訓練を実施した。分析対象は、トリアージの正解率、判定時間、トリアージタグの記入にa用、訓練終了後のアンケート結果とした。被災者とのコミュニケーションや情報収集への戸惑いがある、情報言としてトリアージタグが有効に活用できないといった特徴が認められた。一方で、関連科目の講義や臨地実習を修了した看護学生は、総合的に患者の状態を判断する能力がある以上から、災害急性期に関する基礎知識の習得内容・範囲を検討する必要はあるが、専門職としての生活かつ迅速な判定を訓練目標にすることは可能と思われる。さらに、模擬患者を用いたラリー方式の訓練は、トリアージの難しさや知識の必要性について実感する機会となり、学習の動機づけに有効であることが示唆された。
●連絡先:E-mail bouda@graduate.chiba-u.jp
Vol.9, No.2, Dec 2007