酒井 明子1)渡邊 智恵1)久保 恭子1)金澤 豊1)浅見 貴子1)
1)日本災害看護学会雪害プロジェクト
要 旨
死者151名の人的被害と家屋の倒壊などの物的被害をもたらした『平成18年豪雪』が人々の健康や生活に及ぼす影響を明らかにするために全国的規模で初期調査及び初動調査を実施した。調査対象とした都道府県は、初動調査4件と初期調査13都道府県であった。死傷者の原因は屋根から転落事故が大半を占め、その他は急性心筋梗塞、脳出血、転倒による身体各部の骨折であった。住民の健康状況は、循環器系への影響、疲労の蓄積、食生活の偏り、食欲不振、便秘、入眠困難などの睡眠障害、関節痛、腰痛、筋肉痛、閉じこもりなどの精神症状であった。雪害による人々の健康や生活への影響は、備えの不足、高齢化・過疎化、雪害認識、疲労の蓄積などが影響していた。『平成18年豪雪』による人的・物的被害は豪雪地帯の高齢化と過疎化の問題が露呈された結果となり、人々の生活および健康問題に関する平時からの備えの重要性が示唆された。
●連絡先:E-mail sakaiaki@u-fukui.ac.jp
Vol.9, No.2, Dec 2007