子どもが入院している病棟の災害看護
―新潟県中越地震の看護師の体験から―

井上みゆき1)、加固正子1)、
片田範子2)、勝田仁美2)、小迫幸恵2)、三宅一代2)、岡田和美2)

1)新潟県立看護大学、2)兵庫県立大学

要 旨

本研究の目的は、子どもが入院する病棟の災害時看護を明らかにすることである。研究対象者は、被災時に子どもの入院患者を有していた新潟県中越地域にある病院4施設5病棟の看護師16名と4施設の看護管理者である。方法は、看護管理者には施設の管理状況についての聴き取り調査を行った。看護師には、病棟ごとにフォーカスグループインタビューを行い、質的帰納的に分析を行った。その結果、看護者は、直ぐに子どもと家族の安全確保を行い、子どもと家族への情報を伝達し、相次ぐ余震の中、子どもと家族の避難や避難準備を行いながら、子どものストレスの軽減に努めていた。また、子どもよりも付き添いの家族の方がパニックになっていたことが明らかになった。震災発生時の子どものストレスは、子どもと一緒にいる大人の態度が大きく影響していると考えられる。震災時に子どもと家族の安全を守るには、その場にいる看護師が機転を利かせて対処できるかが重要になってくる。

●連絡先:E-mail inoue@niigata-cn.ac.jp

Vol.8, No.2, Dec 2006





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